何かを伝えるときには、
伝える人と伝えてもらう人の組み合わせが大事。
「伝える人が伝えられること」と
「伝えてもらう人が聞きたいこと」の組み合わせ。
「聞きたい」と「伝えたい」というあいまいなレベルではなくて、
「○○を解決したい」と「○○を解決してきた」と
具体的な組み合わせになると、本当に伝わります。
聞きたいことが具体的ではない人には、伝える効果はあまり大きくありません。
伝えたことをすぐに実行する人はほとんどいません。
こういうとき、「伝えた意味がなかった」と感じることも多いです。
「伝えるべきなのか?」とも思うんですが、
僕は伝えたいと思う相手だったら伝え続けます。
伝える気持ちが減らない限りは伝えると思います。
セネカ
セネカ「心の安定について」の中に次の一文を見つけました。
セネカが年下の友人に向けた助言、その締めくくりの言葉です。
親愛なるセレヌス君。
これで君は心の安定を保つ方法と、それを回復する方法と、
忍び寄る欠点から身を守る方法を手にしたことになる。
だが、くれぐれも注意してほしい。
以上の方法はいずれも、弱いものを守るためには、
必ずしも十分に有効とは言えないのだ。
ーー熱心に、たゆまぬ世話をして、揺れ動く心を包み込んでやらぬかぎりは
文中に出てくるセレヌスは
自分の心の弱さを克服する術をセネカに尋ねました。
その返信の最後が上記の文章です。
揺れ動く心を包み込む
自分の課題を認識し、その解決方法を自分で見つけ、実行する。
セレヌスはそれができる強い人でしたが、それができない弱い人もいる、と。
そういう人には
熱心に、たゆまぬ世話をして、揺れ動く心を包み込んでやれたら
助言が有効に働く
とセネカが伝えてくれています。
この言葉、どのように伝わるでしょうか?
僕にはかなり刺さった言葉でした。